Resolve Circuits

ゲーム、電子工作・プログラム・IoT、時々音楽関係を書き綴る備忘録

【AYANEO Pocket Micro】Android搭載の極小ゲームコンソール

どうも皆さん、お久しぶりです。
夏の暑さも和らいでいき地域によっては雪が降ったりと冬の訪れを感じます。
思えば最近秋と呼べるような穏やかな気候がない気がするな。。。。

さて、今回のエントリは記事タイトルの通りAYANEO Pocket Microを入手したのでファーストインプレッションから数日使ってみての所感を備忘として書こうなどとしてみんとす、といったところです。

こちら、本日のお品書きです。

AYANEOってなんぞや

そもそもAYANEOって何なのか、私自身あまり聞きなじみのないメーカーでした。
調べてみると、中国にあるポータブルゲーミングデバイスを数多く輩出している企業だそうな。
日本では株式会社天空という企業が正規代理店を担っているようです。
※ほかにも正規代理店はあるかもしれませんが、私は天空から購入しました。
モノによってOSも値段もさまざまで、Android搭載機の他にWindows搭載機もあるようです。

AYANEO社のロゴマーク。参考:https://www.aya-neo.jp/

どんな商品を出しているかはAYANEO社のページで実際に見て頂くのがいいと思います

www.aya-neo.jp

DSのようなデザインのもの、PSPのようなデザインのものなどいろいろとあります。

なんで急にこんなデバイス買ったん?

正直私の環境ではゲームに関して困ることってないんですよね。
N社で言えばAV改造済みのファミコンからSwitchまで実機を動態保存してありますし、
S社であればRGB接続のPS(ODE実装)からPS5まで動態保存していますし、

resolve-circuits.hatenablog.com

他にもPCE、MD、SSなど現代ではハード製造していないメーカーのハードもありますし。
そういったコンソールゲームの他にこの令和の時代では、それらと肩を並べるようにPCでのゲームという文化もかなり市民権を得てきましたね。
かくいう私もSteam経由で色々とゲームを購入しプレイするのですが、やはりデスクトップPCなので起動してコントローラーを接続しゲームを起動するという所作に少々辟易してしまいまして。。。。
PCゲームで、キーボードや高fpsの必要がないゲームは非常に今の環境では腰が重いのです。
そういった点からGPDやAYANEOのような「ゲーム機にAndroidWindowsブチ込んじゃった☆」というノリの端末が意外とほしかったりしたのです。

AYANEO Pocket Microについて

概要

では、ここから本題のPocket Microについてのお話です。
今回私が購入したものがAYANEO Pocket Microという機種で、Android搭載のゲーミングデバイスとなっております。

www.aya-neo.jp

発売は今年の初夏辺りなようで、既にガジェットヲタクのyoutube rたちが色々と講釈垂れてると思うので割愛。

採用されているSoCはMediaTek製のHelio G99という2022年初出のものらしい。

参考:https://www.aya-neo.jp/ayaneo-pocket-micro

Arm Cortex-A76が6機とArm Cortex-A55が2機の8コア構成とのこと。
みんな大好きSnapdragon換算で6番台シリーズと同等の性能だそうです。
antutuベンチで40万ちょっとのスコアということでまあ悪くは無いかなという印象。
ただ原神などの重い3Dゲームはちと厳しいレベルで、実際に最低画質設定で30fpsは安定しますが60fps描画は場所によってはできていませんでした。
モニターは960×640のアス比3:2となっており、3.5インチという大きさを考えるとdpiもそこまで低くはない。
バッテリーは2600mAhなので利用しているSoCのスペックを鑑みるとそれなりに長い時間のプレイは可能そう。
意外なのはこの大きさでファンを搭載していて、サーマルスロットリングをある程度は抑えられそうな点。
しかもファンの回転数は後述のツールにて手軽に切り替えることができるのはうれしいポイント。
重さはアルミフレームということもありそれなりの重量がありますが、手に持ってゲームをする際にそこまで気になる重さということはないです。
アルミボディということで放熱性は良さそうな感じがあり、現に雪国在住のわたしの環境だとこの時期はもうボディが冷たすぎて逆に暖機運転が必要なレベルです。

購入場所

公式ショップやCampfireなどあるようですが私はAmazonから購入しました。

私が購入時には2スペック3カラバリがあり、私が購入したのはレトログレー(256GB/8GB RAM)です。
スペックとしては128GB/6GB RAMモデルと256GB/8GB RAMモデルがあり、色はそれぞれマジックブラック、ソウルレッド、レトログレーとなっています。
ソウルレッドは数量限定販売のようで私が購入しようとしたときには既に売り切れでした。
10月18日に注文、11月10日に着弾という流れでした。

商品着弾、中身を見ていく

では、荷着した際の写真を公開していきます。

配送会社は佐川急便でした、11月10日は予定があり家を空けていたので(本来の配達日程はもっと遅い日付だった)受け取れるかヒヤヒヤしながら可能な限り急いで帰宅。
結果無事に受け取ることができましたが正直宅配ボックス対応してほしいな。。。。

化粧箱の画像。
薄いビニールのシュリンクで包装されており、底面には正規代理店天空が別途貼り付け下製品シールが貼られています。

しっかりと技適認証がされていることがわかりますね。
ではシュリンクをはがして開梱していきます。

親方!箱から箱が出てきました!
マトリョーシカを彷彿とさせますが、さすがに次は普通に本体が入っていました。

いざ、オープン。
最初にコンニチハしてきたのは本体のモニターとボタン・スティックを保護するためのクッション材。
それを取り外すとようやっと本体がお目見えしました。

こちらが本体です、詳細は後程。。。。。。

箱の中身はこんな感じ。
本体と充電ケーブル(USB-C)、各種書類というシンプルな内容物。

USBケーブルは自分で在庫があるので付属してきたケーブルはこのまま箱にしまっておくことにしています。
各種書類は日本語版が先ほどのシュリンクに付属しているシールのQRコード先にありますが、同梱の書類に日本語はありませんでした、まあアメリカ語はあるからそれ読めばいいんだけど。

電源入れちゃおう

早速電源の投入。
AYANEOという文字が表示される。

カラフルな起動スプラッシュウィンドウが表示されました。

ここからはAndroidユーザーならご存じの画面なんですかね?
まともにAndroid使ったことないんでわからんですが、言語設定やらWi-Fi接続、Googleアカウントログイン等の設定を行って待ち受け画面がコンニチハしました。

諸々のセットアップが完了したら今度はアップデート祭りです。
ちなみにこの端末、Androidが搭載されているのでもちろん…………

このようにAndroid用のアプリケーションがインストールできます。
microSDカードでストレージを拡張することができます。
今回私はAmazonセールで安価に手に入れた128GBのmicroSDカードを挿入しました。

microSDカード挿入口は本体正面から見て右側の部分にあります。

Android向けゲームなんかも入れちゃう

今まで一度もプレイしたことがないのですが名前はよく耳にしていた”原神”。
これを機にインストールしてみました。

原神インストール後のパッケージ更新などに非常に時間を要していたので、サイズ比較用にPSP3000と並べてみました。
ゲームボーイミクロのように角張ったデザインゆえコンパクトかつスタイリッシュに見えて良いのですが、やはり持ちやすさ・操作のしやすさはPSPに軍配が上がります。

ちなみにHD画質にも満たない解像度ですが、意外にも各アプリの文字は読めるんですね。
これには驚きました、てっきりもっと荒い文字になって読みにくいのかと思っていたのですがそんなことはなく老眼の方には厳しいですがしっかりと文字は読めました。

大本命、レトロゲームエミュとしての使い道

これこそが私の使い道の大本命です。
まあCPUのスペックを鑑みるとそこまでハイスペックなエミュレーションはさせられないのでせいぜい動かせてプレイステーション等の初期3Dゲーム機あたりです。
AYANEO Pocket MicroにはAYANEO Spaceというアプリが最初から入っています。

初めはこのアプリ自体がマルチエミュにでもなっているのかと思ったのですがそうではなく、各ゲームハードのROMデータを読んでライブラリとして一元管理できるようにするだけのアプリでした。
実際にエミュレーションをするためには各機種に対応したエミュレータアプリケーションを別途インストールする必要があります、なのでぶっちゃけAYANEO Space必要ない説。
ちなみにもちろんですが、各ゲームのROMファイルやBIOSファイルは各自で自分が所持している実機から抜き出したものを利用しましょう。
なお、BIOSファイルについてはこのAYANEO Pocket Microでエミュレーションできるレベルのゲーム機においては比較的入手が容易かと思います。
そもそも、SFC(SNES)やFC(NES)、PCE(ROMカード)にMD(Genesis)あたりはゲームソフトのROMを自炊するだけでBIOSファイルは必要ないですし、PSについてはPS3のアップデートファイルをうまくゴニョゴニョすればBIOSファイルが取り出せたものと記憶しています。
PS2世代のゲーム機のエミュレーションについては正直この子のスペックじゃちょいとキツいので眼中に入れていません。

Androidはあまり使ったことがないので今回初めて痛感させられることになったのですが、非常に無料エミュの数が少ないですね。
AYANEO Spaceからおすすめされるエミュレータも有料のものが多く辟易しました。

以下エミュソフトはAYANEO SPACEが「利用しる!」といってきてるもので遊んでいます。

ファミリーコンピュータ

ゲームといえば、の代名詞的存在ですね。
こちらのエミュレータNES.emuというものをダウンロードするようAYANEO SPACEから指示されるのですが、なんと410円の有料アプリです。

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ということでスルー
ちなみにディスクシステムにも対応しているようです。

スーパーファミコン

ファミコンの次はこいつです。
こちらはAYANEO SPACEからSnes9x EX+というアプリのダウンロードを指示されました。
こちらは無料アプリでした。

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Windows用のSnes9xとUIこそ違いますが機能は全く一緒ではないかと思います。
少なくとも私が弄る設定の部分についてはWindows版とそん色なくちゃんと設定ができました。
そんなこんなで設定を終えて動かしている様子がこちら。

私がメインで遊びたかったのはSFCとPSなので最低目標の半分は達成されました。

PCE

NECとハドソンが輩出したFCからSFC世代頃のゲーム機です。
「コア構想」という設計思想を持っており、ゲーム機本体の背面に見える拡張バス端子を用いて機能拡張ができるというゲーム機でした、なんならCDROM2(ロムロムと読む)という当時としては先進的なCDROMをゲームソフト媒体として利用し最大700MB近くの大容量データを扱えるようになりました。
なによりズルいなぁ、と思ったのがCD-DAでゲーム内BGMを演奏すること。
この世代のゲーム機ってPSGとかFM音源とか、ちょっと進んでDPCMADPCMとかいうのがほとんどな中、CD-DAを用いた高音質の生演奏、ニクいです。
悪魔城ドラキュラXのBGM達なんかは目(耳?)を見張る素晴らしいクオリティです。
※ちなみにHuカードROMタイプのゲームではBGMや効果音は波形メモリ音源が使用されています。

そんなPCEですがなんとAYANEO SPACEから導入指示を受けたものは「PCE.emu」というもの。。。。。
○○.emuという命名から不穏な気配がしておりますが、ご安心ください、しっかりと有料でございます(笑)

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個人的にPCEのエミュは使ってみたいので購入を検討していますが現時点ではスルー。

MD

セガが誇るカセットROM方式のゲーム機です。
SFCADPCM音源と違いFM音源方式を採用しています。
MDのFM音源は4OPのものなので本職シンセのDX7やSY77のような凝った音作りはできないですが、それでも実力のある音色プログラマが音色を作れば高周波数帯域の成分が重要な金属系の音色がADPCMよりも遥かに美しい音で奏でられます。
事前に用意されている波形のプレイバックではなく、FM音源チップの演算により生成される波形というところから膜鳴楽器の音、とりわけゲーム音楽ではドラム系ですがそちらは少々苦手としています。

ADPCMFM音源の客観的な音の違いですが、ADPCMは色々な楽器の音が鳴るけどちょっとくぐもっている印象、FMはADPCMのリアルさには敵わないけどゲーム音楽らしいギラギラした音色という印象ですね。

さてこちらのAYANEO SPACEさんおすすめのエミュアプリは「MD.emu」というもの。
……いわなくてもお分かりですね?w

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しかもNES.emuやPCE.emuよりも微妙に高い……w
MDのエミュについても、結構アーケードゲームの移植(この当時のアケゲーはFM音源がほとんどなので音色の再現性がピカイチ)をやりたい気持ちはあるので購入検討中です。

PS

SONYが満を持して開発したCDROMをソフト媒体としたゲーム機です。
この時代から各社のゲーム機揃って格段に画質やBGMのクオリティが上がってきます。
AYANEO SPACEからはDuckStationを入れろと言われました。

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こちらは安心の無料アプリ。
ゲーム選択UI部分はWimdowsやMac向けのDuckStationとほぼ同じになっています。
設定ももちろん幅広く変更が可能で、PC版同様にグラフィックの内部解像度変更やアスペクト比変更などが可能となっています。
こちらも設定を色々弄ってみました。

この子のスペック的にグラフィック周りは内部解像度2xでPGXPのジオメトリ補正、バイリニアのテクスチャアンチエイリアスがいいところでした。
まあそこまで端末本体の解像度も高くないですから、無駄に内部解像度を上げる必要はないですね。
ただ実機そのままの内部解像度だと流石に最近のゲームで肥えた目にはドット感が気になるので2xほどにしておくのがいいと思います。

せっかくなのでネイティブ解像度と内部解像度2x、テクスチャアンチエイリアス、PGXPジオメトリ補正をかけた状態でのゲーム比較をしてみました。

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↑が実機と同様の設定でのプレイ。

www.youtube.com

↑が内部解像度を上げた状態でのプレイ。
ついでに本体スピーカーの質も感じ取ってもらえればいいかなと直撮りしています。
録画環境はiPhone16ProMAXなのでマイクの質は良い方かな、と。

ちなみにPC版DuckStationから仮想メモリーカードのファイルを持ってきてインポートすればそのままゲームのセーブデータを引き継いで遊べちゃいます。

PS2

スペック的に無理なのは百も承知なんですが、やってみようとしたところそもそも対応アプリがありませんでした。
AYANEO SPACE側からは「RetroArch64」を入れろと言われますがストアに行っても何も表示されません。
恐らくPocketMicroという機種でストア側がはじいているのかなと思います。

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PSP

SONY初の携帯型ゲーム機、発売当初は「携帯機でこの3Dグラフィックが実現できるのか」と驚いたものです。
PSP発売当時私は学生だったのですが、モンハンが爆発的に普及していましたね。
ちょっと素行の悪い生徒なんかはこっそり学校に持ってきて休み時間や放課後に遊んでいるようなのもいましたねw

こちらはAYANEO SPACEからはPPSSPPを入れろと言われました。
PPSSPPはPCでもPSPエミュレーションする際にお世話になっているエミュレータですね。

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こちらもUIがPC版とそん色なく、普通に使うことができました。
この子のスペックだと実機ネイティブ設定環境が関の山です。

PSPはギャルゲや乙ゲが豊富に発売された端末ですから、そういったゲームを遊ぶのにもいいかもですね。

GCWii

花札屋さんがついにディスク媒体のゲームソフトに手を出した機体です。
こちらは内部的なOSがそこまで変わっていないことからGCWiiともにDolphinというエミュレータで遊ぶことが可能です。
ですが、AYANEO SPACEからは「Dolphine handheldをインストールせよ」といわれますがストアに行ってもそんなもんは存在しないと突っぱねられます。
かわりにDolphin Emulatorというものがあることにこの記事を書いているときに気づいたので、ちょっとインストールして試してみようかなと思います。

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GBA

恐らくゲーム世代が一番思い入れのある携帯ゲームハードではないでしょうか(個人的感想)。
こちらは「Pizza Boy」というアプリを導入指示されましたが無料版だと結構UIに限界を感じます。
スマホをベースに開発されているので縦長UIで自然になるように作られている気がします。
AYANEO Pocket Microはゲームパッド付の携帯端末ですから、ソフトウェアコントローラーのオーバーレイ表示などはいらないのですが、そういった部分のカスタマイズをするには有料版の購入を促されます、上手い商売だな。。。。。w

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しかも780円となかなかお高いのがなー

そしてPizza Boyの種類ありすぎ問題()
どれをインストールすればいいのかわからんです。

操作感はどうなのよ?

気になる操作性の部分についてですが、やはり小さい筐体にHATキー、ABXYボタン、LRボタンにLRトリガー(AYANEO Pocket Microはデジタル入力のみ)、左右にアナログスティックという配置をしなければならないのでかなりキツキツになっています。
私のプレイのクセとして、リッジレーサーのドリフト時に一瞬だけアクセルを離しブレーキを押し、またアクセルに戻すという動作をするのですがその際に親指が右アナログスティックにぶつかりそうな位置関係で非常に操作に気を使います。
また、ABXYボタンがメンブレン式のようにまあまあ深い押し心地なのも相まって素早い操作にはある程度の慣れが必要かもしれません。
私もプレイしはじめの頃は全然ドリフトに移行できなくて苦労しました。

おわりに

とりあえず私がとてもやりたいゲーム機に関してはPCもSFCも無料でエミュレータが導入できたので良かったです。
他の有料エミュレータについてもちょっと購入してみて試してみようかなと思います。
重い3Dグラフィックを処理するようなAndroidゲームや最近のコンソールゲーム機のエミュレーションには向きませんが、この筐体デザイン的にターゲットとしている世代のゲーム機のエミュレーションは余裕でできますので、極小ゲームコンソールが欲しいという方は一つ買ってもいいのかもしれません。

Analogue PocketはFPGA互換機で実カセットが利用できて、実機と通信ができる等の良い点がありますがいかんせん重さと大きさでちょっと持ち運ぶのには躊躇してしまうんですがその点をこのAYANEO Pocket Microはクリアしてくれています。
この大きさでPSとPSPのゲームが動くだけで私的には大満足です。