Resolve Circuits

ゲーム、電子工作・プログラム・IoT、時々音楽関係を書き綴る備忘録

凄いのは凄いんだけど、ARグラスでは…………なくない? 【XREAL 1S】

皆さんこんにちは、夏が近づいてまいりましたね。
北海道もそろそろ上着は必要なくなってくる感じかなという気候です。
はてさて、普段はレトロゲームのハードウェア改造とか分解お掃除と化していますが、今回は新しいガジェットのお話です。

先週、2026年4月13日に近場の家電量販店で「XREAL 1S」を購入しました。 延べ時間で言えば1日ほどになりますが使用してみてのファーストインプレッションを今回はまとめました。

以下、本日のお品書き

購入の経緯とXREAL 1Sを選んだ理由

私自身新しいもの好きということと、以前Oculus Quest2(Metaに寝取られる前)を持っていたこともあり、AR技術に興味がありました。
「単体で3DoFが可能なこと」「視野角が広いこと」という触れ込みから、空間にPCの拡張画面を自然に表示できるようになることを期待しての購入です。

実は、もともとは前モデルの「XREAL One」を購入する予定でした。
ネットのレビュー記事を見て面白そうと思いAmazonを開いたものの、あいにくの在庫切れ。
衝動的に近場の家電量販店へ電話すると「ARグラスの店頭展示がある」とのこと。
実際にお店へ赴き、そこにあったのがXREAL 1Sでした。
スペックを調べるとXREAL Oneとさほど変わらない印象で、お値段も67,980円(税込)とそのまま置き換えが利きそうだったため、こちらをお持ち帰りしました。

Amazonには下位モデルの「XREAL Air」がお安くありましたが、こちらは単体での3DoF非対応。
そんでもって上位モデルの「XREAL One Pro」は流石に予算オーバーの為断念。
やはり単体で3DoFには対応していてほしいという思いが強く、1Sに着地しました。

補足:XREAL 1Sの基本スペック

XREAL 1Sのスペックは以下の通りです。

  • 搭載チップ:独自開発の空間コンピューティングチップ「XREAL X1」を搭載
    ※外部デバイスに頼らず、グラス単体で「ネイティブ3DoF」を実現
  • ディスプレイ:ソニー製 0.68インチ Micro-OLED(有機EL)を採用
  • 解像度:片目あたり 1920×1200ドット(WUXGA)
    ※従来モデルのフルHDから縦方向の解像度が向上
  • 輝度・色再現性:ピーク輝度は 700nit
    ※sRGBカバー率108%、色精度ΔE < 3と、鮮明でリアルな色表現を実現
  • リフレッシュレート:最大120Hz

  • 視野角 (FOV):52度

  • 重量:実測約84g

  • オーディオBose共同開発のカスタマイズ音響スピーカーを搭載

  • レンズ調光:3段階のエレクトロクロミック調光機能を装備
  • その他:2D映像から3D映像へのリアルタイム変換機能

いざ開封!落ち着いたブルーとBoseサウンド

帰宅後、すぐに開封の儀を執り行いました。

最近のスマホの箱のようにスライドするタイプのテープをはがしてオープンすると、いきなりちょっと大きめの眼鏡ケースとご対面。

箱の下には替えのノーズパッド(S・Lサイズ)や取説が入っていました。

専用クリーナーには"XREAL"のエンボス加工文字が見られます。

本体は公式サイトの画像で見るほど青くなく、落ち着いたシックな感じの青色で好印象です。

ケースの下側にはSUB-Cケーブルがありました。

このUSB-Cケーブル、眼鏡側の接続部に負荷がかからないよう片方の端子が斜めになっています。

これが本体の全体像。
まだ保護用のフィルムが付いた状態です。

右側テンプルにはショートカットボタン、Xボタン(メニュー呼出)、音量ボタンが配置されています。

そして両側のテンプル上下にはスピーカーが付いており、なんと「SOUND BY BOSE」の文字が。
音にはかなり力を入れている模様です。

ARグラスは初めてだったので新鮮だったのですが、リム上部にソニー製のOLEDがあり、その映像がレンズ手前(斜め45度)のハーフミラーに反射して目に入る仕組みなんですね。
これによって、実際の風景を見つつ映像も重ねて見られるというわけです。

iPhoneと接続!「3DoF」の不思議な没入感

左の耳掛け部分にあるUSB端子にケーブルを繋ぎ、iPhone 16 Pro Maxと接続してみました(DP Altモード出力対応のUSB-C端末と1対1で接続可能です)。

USB-Cケーブル1本で映像が映るのは非常にスマート。試しにYouTubeを再生してみましたが、目の前にスクリーンがあるかのような没入感です。

上画像のようにレンズの透過度は「透明」「ちょっと暗い」「背景遮断」の3段階で変更可能となっており周りが明るい環境でも光の映り込みが無くしっかりくっきりとグラスの映像が見られます。

ですが上画像の通り元のレンズが暗め(薄いサングラスのようなイメージ)なので、透明モードでも肉眼や通常の眼鏡のようなクリアな視界にはなりません。
また、明るい室内で使うとハーフミラーに反射した自分の下半身や机がうっすら見えますw

そして本題の3DoF機能。 Xボタンの短押しで、0DoFと3DoFのモード切り替えが瞬時(1秒ほど)にできます。 Oculus Questのようなフロントカメラがないのに、しっかり設定した空間に画面が固定されて留まってくれるのは本当に不思議で凄いです。

面白いのが、3DoFモードで透過度を最低(背景遮断)にしていても、頭を動かして画面を視界の外にすると、自動的に透明度が最高まで変わり周囲が見えるようになる点です(設定で変更可能)。 また、0DoFモード時は頭の動きに完全に追従するのではなく、ある程度動きを丸めて追従してくるため、画面酔いしにくい親切設計だと感じました。

10分ほどテスト的に動画視聴で利用した後に温度計で本体の映像表示部分あたりを計測してみたところ、人肌よりちょっと冷たい感じでした(なぜ左右で温度が違うのかはちょっとわからんです)。

めっちゃ撮影苦労しましたが、グラスを掛けてみるとこんな感じの映像が見えます。
※映像は私がリッジレーサーVをプレイしているときのキャプチャ映像

これって本当にAR?「仮想モニタ」としての厳しい現実

さて、確かに凄いんですが……これってARなのでしょうか?。 個人的にARというと、異世界なろう系のようなメッセージウィンドウが出たり、視界に入った物の名称や寸法を計測できたりと、現実世界と密にリンクしてデジタルな付加情報を与えてくれるものを想像していました。

現実の空間上に仮想モニタを映せるのでARと言えなくもないですが、どちらかというと「持ち運び可能な大型拡張モニタ」と言った方がしっくりきます。

別売りで"XREAL Beam"なる機器があり、コイツを使えばもう少し用途は広がるようですが、結局取り回しが悪くなってしまいます(し、費用対効果の面でアドバンテージなさそう)。

上位モデルに"XREAL Air Ultra"という機種があり、コイツはなんと単体で6DoFに対応していますが「そこまでいるか?」という印象。

XREAL EYE(XREAL公式ショップページより画像引用)

1Sでも別途専用アクセサリの"XREAL EYE(上画像参照)"という超小型カメラデバイスを追加すれば単体6DoF化が可能で、セットで買ってもAir Ultraより安いので、まずは3DoFで運用してみて追々検討ですね。
※そもそもAir Ultraはこのカメラが標準で本体に内蔵されてるだけのような感じ

そして、仮想モニタとしてPC作業などに使うには少し苦言を呈したい部分があります。

  • ピント合わせが疲れる
    数m先にモニタがある感覚でも、実際の表示部分は数cm先のハーフミラー。
    1Sは瞳孔間距離(IPD)の物理バリエーションが1つしかなく、ソフト的に調整しても物理モニタのような"クッキリ"感が出ません。

  • 視界端のぼやけ
    構造上仕方ないですが、視界の端に行くほど映像がぼやけます。

  • 目の筋トレ状態
    0DoFの場合は常に目の前に仮想モニターが表示されるので顔を動かしてもずっとモニタが真正面に見えて便利な反面、視線移動だけで画面の端を見る必要があり目が疲れます。

また、当初私が想定していた物理モニタの横に仮想モニタを置くような使い方だと、目のピント調整が頻繁に発生してかなり過酷です。
Nebulaアプリを用いて仮想複数モニタとして使うか、仮想単体モニタとして割り切る方が幸せかもしれません。やはり「完全なAR」はまだ遠いな、というのが正直な感想です。

ちなみにWindowsからはしっかりと1920×1200の120Hzモニタとして認識されていました。

最高の「プライベートシアター&ゲーム機」として

先述の通り、PCモニタとしての利用は今一歩でしたが「映画視聴」や「ゲームプレイ」用途のHMDとしては絶大な没入感があり、半端ない体験ができました。

透過度を最低にし、部屋を暗くして没入する映画やゲームは非常にエキサイティングです。

1999年12月に発売されたSONY Glasstron Lite PLM-A35(SONYプレスリリースより画像引用)

プレステなどのレトロゲームを遊ぶ際にSONYのグラストロン(PLM-A35)を所持・使用していましたが、今回の1Sはその正当進化といった印象を受けました。

内蔵スピーカーの音質も非常に良いです。
ただ、テンプルの上下にスピーカー穴がある構造上、音はダダ漏れします。
一人暮らしの部屋ならデバイスのスピーカーで開放感を楽しむのがベストですが、万が一、億が一これを外で使用する猛者がいる場合はBluetoothイヤホンが必須だと思ってください。

ちなみにUSB-C出力の無い機器の映像を表示させたい場合はどうするか?
答えは簡単、HDMIをUSB-C(DP Alt)に変換する機器を使えばよいのです。
※RTX3070TiにUSB-Cがないので上記Windowsでも私はこの変換器を使っています。
この変換器は映像表示デバイスへの給電部分が2Aまでとなっていますが、今回の1Sは5V1Aでの駆動なので問題なく使うことができました。
もうちょっとインチ数の大きいモバイルモニタ等を動かす場合はこの変換器では電力が足らなくなるかもしれません。

まとめ

現在のファーストインプレッションをまとめるとこんな感じです。

「ゲームプレイや映画鑑賞には絶大な没入感を。PCモニタとしての利用は今一歩」

将来、もっと自然な眼鏡タイプになり、本当に「眼鏡としてもスクリーンとしても常用できるレベルのARグラス」が出ることを願って、この記事を締めたいと思います。